ANAプレミアムメンバーサービスのひとつである「スーパーフライヤーズ」(通称SFC)には、「国際線特典航空券の優先」という特典があります。
ひかパパ
ANA公式サイトより
メンバーご本人がご自身のマイルでご搭乗される場合、ANAグループ(ANA・エアージャパン)運航便の国際線特典航空券と国際線アップグレード特典のご予約および空席待ちを優先的に承ります。プレミアムメンバーご本人様のマイルをお使いになる同一予約番号をお持ちのご同行者様※のご予約、空席待ちも優先的に承ります。
公式サイトにはこれ以上詳細な記載はありませんが、実際にANAでは「プレミアムメンバーのランクによって国際線特典航空券の予約可能な席数が異なる」ことが確認されています。
というわけで、
ということが陸マイラーの間で浸透していますし、それを目的にSFC修行をする方もいらっしゃると思います。
が、しかし。。
ひかパパ
具体的には一般会員より1席多い程度(2席多いこともあります)
というのが実態です。
それともうひとつ重要なことがあります。
それは、 出発2週間ほど前に特典航空券が増枠されることがありますが、この時の座席数はステータス毎の違いはありません。
ひかパパ
これについてはまた後日詳細をお伝えできればと思いますが、今回は通常の特典航空券予約でのステータス毎の違いに焦点を当ててみたいと思います。
目次
国際線特典航空券の空き席数を調査してみた
調査方法
- アカウントは自分(プラチナ)・妻(SFC)・子供(一般)を使用
- ANA公式サイトでひたすら検索して目視確認
- メジャー路線を中心に8~12ヶ月先の空き席の状況を確認
- 調べた中で、路線毎・ステータス毎に最大空き席数を記録
- 燃油サーチャージが最も高かった3月下旬に実施
- 時間の都合上、羽田・成田発の片道のみ
ひかパパ
3月下旬を選んだのは、空き席数が多い時期だったからです。
その理由は、燃油サーチャージが [3月 ZONE E] → [4月 ZONE B]、つまり近年で最も高い時期から最も安い時期に変わる直前だったので、特典の予約が通常よりも鈍っていたからです。
では、その結果を見てみましょう。
※略称
Y:エコノミー
PY:プレミアムエコノミー
C:ビジネスクラス
F:ファーストクラス
※各路線毎に1年間の最大空き席数を記載
※ルール上10席以上の空席の状況が分からないため、9席の場合は9+と表記
北米方面
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 4 | 2 | 4 | 2 |
SFC | 4 | 2 | 3 | 2 |
一般 | 3 | 2 | 2 | 2 |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 7 | 2 | 4 | 2 |
SFC | 6 | 2 | 3 | 2 |
一般 | 5 | 2 | 2 | 2 |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 4 | 2 | 5 | 3 |
SFC | 5 | 2 | 5 | 3 |
一般 | 4 | 2 | 3 | 2 |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 5 | 2 | 4 | 3 |
SFC | 5 | 2 | 3 | 3 |
一般 | 4 | 2 | 2 | 2 |
ハワイ方面
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 9+ | 9+ | 3 | 2 |
SFC | 9+ | 9+ | 2 | 2 |
一般 | 9+ | 9+ | 1 | 2 |
ヨーロッパ方面
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 3 | 2 | 1 | 1 |
SFC | 3 | 2 | 1 | 1 |
一般 | 2 | 2 | 1 | 1 |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 4 | 2 | 4 | 設定なし |
SFC | 3 | 2 | 3 | 設定なし |
一般 | 3 | 2 | 2 | 設定なし |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 4 | 2 | 4 | 1 |
SFC | 3 | 2 | 3 | 1 |
一般 | 2 | 2 | 3 | 1 |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 4 | 2 | 2 | 設定なし |
SFC | 3 | 2 | 2 | 設定なし |
一般 | 3 | 2 | 1 | 設定なし |
東南アジア・オセアニア方面
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 4 | 2 | 4 | 設定なし |
SFC | 4 | 2 | 3 | 設定なし |
一般 | 3 | 2 | 2 | 設定なし |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 9+ | 1 | 7 | 設定なし |
SFC | 8 | 1 | 6 | 設定なし |
一般 | 7 | 1 | 5 | 設定なし |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 4 | 2 | 2 | 設定なし |
SFC | 4 | 2 | 2 | 設定なし |
一般 | 3 | 2 | 2 | 設定なし |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 2 | 1 | 2 | 設定なし |
SFC | 2 | 1 | 2 | 設定なし |
一般 | 2 | 1 | 2 | 設定なし |
東アジア方面
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 9+ | 設定なし | 8 | 設定なし |
SFC | 9+ | 設定なし | 7 | 設定なし |
一般 | 7 | 設定なし | 6 | 設定なし |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 9+ | 設定なし | 7 | 設定なし |
SFC | 9+ | 設定なし | 6 | 設定なし |
一般 | 7 | 設定なし | 5 | 設定なし |
Y | PY | C | F | |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 9+ | 設定なし | 4 | 設定なし |
SFC | 9+ | 設定なし | 3 | 設定なし |
一般 | 7 | 設定なし | 3 | 設定なし |
空き席数の違いをクラス別に比較
ビジネスクラスは プラチナ > SFC > 一般 の傾向
陸マイラーに一番人気のビジネスクラスは明確に差が出ました。
かなり多くの路線で、プラチナ、SFC、一般とステータスが下がるに連れて1席ずつ少ない傾向でした。
それ以外の路線は以下3パターンに分かれました。
- プラチナ = SFC > 一般の路線(ロサンゼルス)
- プラチナ > SFC = 一般(ロンドン、台北)
- プラチナ = SFC = 一般(フランクフルト、バンコク、シドニー)
①②についてはたまたまの可能性もありますが、③の路線については他のクラスを見ても明らかにステータス毎の違いがあまりない傾向が見て取れます。
今回の調査は、調査時点での空き席を調べているため、たとえ本来は3席の枠があっても
既に予約が入っていれば調査結果としては「1席しか空いていない」という状態はあり得ます。
しかし、路線によっては100日以上チェックしての結果ですし、フランクフルトとシドニーについては全クラスでステータス毎の差があまりにないので、“たまたま”にしては出来過ぎな気がしています。
- ビジネスクラスは多くの路線でSFCはプラチナよりも1席少なく、一般よりも1席多い
- 一部路線(フランクフルト、バンコク、シドニー)はステータス毎の違いがない
エコノミークラスは プラチナ≒SFC > 一般 の傾向
エコノミークラスも、多くの路線でSFC > 一般という傾向がありました。
具体的な席数の差を見ると、SFCが一般よりも、東アジアの全路線で+2席、それ以外の路線は+1席でした。
逆にSFC=一般の路線は、パリ、ウィーン、シドニーのみでした。
また、ビジネスクラスに比べてプラチナ=SFCという路線が多くありました。
- エコノミークラスでは、多くの路線でSFCの座席は一般よりも1~2席多い
- 2席多い路線はすべて東アジア路線
- プラチナがSFCよりも多いのは5路線のみで、ビジネスクラスに比べてプラチナ・SFC間の格差は少ない
ファーストクラスは プラチナ = SFC > 一般 の傾向
ファーストクラスはそもそも設定されている路線が少ないです。
しかし、ステータス間格差という意味でははっきりとした傾向が見られました。
まず、調査した7路線中、SFCと一般で差があったのはわずか2路線(サンフランシスコ、ロサンゼルス)でした。
この2路線はSFCとプラチナで3席の空きを確認できてまして、通常ファーストクラスが2席のみ開放されていることを踏まえると、奇跡的(超例外)な路線とも言えます。
また、プラチナとSFCでは全路線差がありませんでした。
- ほとんどの路線でステータス間の格差は無い
- サンフランシスコ、ロサンゼルス路線でプラチナとSFCに3席開放されている
プレミアムエコノミーは全路線でステータス格差無し
プレミアムエコノミーはこの調査を通じて最もはっきりとした結果が出ました。
- プレミアムエコノミーは全路線でステータス毎の格差なし
- 基本2席、例外としてシドニーとクアラルンプールが1席、ホノルル9席以上
まとめ
以上の結果をもとに「SFCは一般会員に比べて国際線特典航空券を取りやすいのか?」に答えますと
- ファーストクラスは一部の北米路線のみ1席多い(基本2席)
- ビジネスクラスは多くの路線で1席多い(基本3席)
- プレミアムエコノミーは全路線優位なし(基本2席)
- エコノミークラスは多くの路線で1席多く、東アジア路線は2席多い
また、プラチナとの差においては
- ファーストクラスは差なし
- ビジネスクラスは多くの路線で1席少ない
- プレミアムエコノミーは差なし
- エコノミークラスは1席少ない路線もあるけど、差がない路線も同じくらいある
ひかパパ
ひかパパ
2018年の途中までは、SFCの特典座席数はプラチナと同等でした。(ビジネスクラス4席が当たり前でし、実際9月にホノルル便ビジネス4席の獲得に成功しました)
ところがいつの間にか改悪があり、プラチナ>SFCとなってしまいました。
基本的に「一般よりSFCの方が優先される」ことは今後も変わらないと思いますが、細かいところでは今後も随時変わっていくと思います。
その後、ツイッターでSFCでもホノルル線でビジネスクラス4席確保できたとの情報が入りました。
詳しくはこちらの記事でレポートしています。
スーパーフライヤーズでANAハワイ特典ビジネスは4席確保可能!?また2020年にANAが新規就航した路線の特典座席数の調査も行いました。
【2020年版】ANA新規就航路線の特典座席数を調べてみた(SFCと一般の比較)※ダイヤモンド会員については私自身がステータスを持っていないため調査対象外になっていますが、一般的にプラチナよりも席数が多いと言われています。したがって、今回は「ステータス格差なし」としている路線でもダイヤモンドだけ別格ということもありそうです。
※あくまで一個人の調査結果です。また、日によって特典に開放される座席数が変化しないことを前提となります。
※調査方法や結果についてご意見ありましたらぜひコメントをお寄せ下さい。
10数年来のSFCホルダーです。
2~3年毎に家族4人で夏休みに特典航空券で海外旅行に行っていますが、
最近すごく座席がとりづらくなったと感じていました。
海外出張が減り、プラチナまで達することがなくなった(=SFCステータスどまり)ことが、
理由だったのかも知れないですね。
時間をかけて調べていただき、ありがとうございました。
来年の特典航空券取得に向けて、今年は少し修行をしてみようかな。
>でいさん
ご返答が遅くなり申し訳ありません。
コメントありがとうございました!
プラチナとSFCで差が付くようになってしまいましたので、今ならプラチナになる意味もさらに高まっているのかと思います。
ご家族との旅行、ご希望の日程で行けると良いですね。
お読み頂きありがとうございました。